Natural or Cordinater?
サブタイトル
お知らせ PHASE0 はじめに PHASE1-1 偽りの平和① PHASE1-2 偽りの平和② PHASE1-3 偽りの平和③ PHASE2 その名はガンダム PHASE3 崩壊の大地 PHASE4 サイレント ラン PHASE5 フェイズシフトダウン PHASE6 消えるガンダム PHASE7 宇宙の傷跡 PHASE8 敵軍の英雄 (原題:敵軍の歌姫) PHASE9 消えていく光 PHASE10 分かたれた道 PHASE11 目覚める刃 PHASE12 フレイの選択 PHASE13 宇宙に降る星 PHASE14 果てし無き時の中で PHASE15 それぞれの孤独 PHASE16 燃える砂塵 PHASE17 カガリ再び PHASE18 ペイバック PHASE19 宿敵の牙 PHASE20 おだやかな日に PHASE21 砂塵の果て PHASE22 紅に染まる海 PHASE23 運命の出会い PHASE24 二人だけの戦争 PHASE25 平和の国へ PHASE26 モーメント PHASE27 果てなき輪舞 PHASE28 キラ PHASE29 さだめの楔 PHASE30 閃光の刻 PHASE31 慟哭の空 PHASE32 約束の地に PHASE33 闇の胎動 PHASE34 まなざしの先 PHASE35 舞い降りる剣 PHASE36 正義の名のもとに PHASE37 神のいかずち PHASE38 決意の砲火 PHASE39 アスラン PHASE40 暁の宇宙へ PHASE41 ゆれる世界 PHASE42 ラクス出撃 PHASE43 立ちはだかるもの PHASE44 螺旋の邂逅 PHASE45 開く扉 PHASE46 たましいの場所 PHASE47-1 悪夢はふたたび① PHASE47-2 悪夢はふたたび② PHASE48-1 怒りの日① PHASE48-2 怒りの日② PHASE49-1 終末の光① PHASE49-2 終末の光② PHASE50-1 終わらない明日へ① PHASE50-2 終わらない明日へ②
制作裏話
逆転SEEDの制作裏話を公開
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2011/2/28~2011/5/17
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機動戦士ガンダムSEED 男女逆転物語
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中ではサイとカズイが何やら画面に向かっていたが、にぎやかな気配を感じてメガネをかけたサイがいち早く振り返った。
サイは一学年上の才女で、カトーゼミのリーダー的存在だった。
明るいトールの言葉に目で挨拶すると、サイはその後ろの、淡い茶色い髪をした華奢な人間に声をかけた。
「キラ。やっと来た」
キラと呼ばれたのは、少年のように見える少女だった。
髪の毛は少し長めのショートカット、大きな目は紫水晶のようで、よく見ればとても可愛らしい顔立ちをしている。
しかしどこかはかなげで、憂いを秘めたような表情をしているせいか、キラがかなりの美少女であると気づく人はあまりいない。
「ボーイッシュな女の子」というのが彼女の一般的な印象だった。
「う…ん?…!…」 キラはサイに答えると同時に、部屋の奥に見慣れない少年がいることに気づいた。
チラとこちらを見た彼はしかし、すぐに視線を落とす。
どうやら自分たちと愛想よく話をする気はないようだった。
「誰?」
トールも彼に気づき、いつも遠慮なしの大声をややひそめてサイに聞く。
「あ、教授のお客さん。ここで待ってろって言われたんだと」
そう答えたのはカズイだった。
いつも不安げで、人を疑うような目をしているが、観察眼が鋭く、常にきょときょとと周りを見回しているカズイ。
キラは彼の何でも見抜いてしまうような陰鬱な目が少し苦手だった。
「ふーん」
教授のお客さん…しかも可愛い女の子や美人ならともかく、男となれば見る見るうちに興味を失うトールの声が可笑しくて、キラは思わず吹きだしそうになるのをこらえた。
トールはいいヤツだ。素直で、明るくて、優しくて…
「教授は?」
「これ、預かってる。追加とかって」
キラは顔をしかめた。
(ちぇ…教授はいつもこれだ…)
足りない単位の変わりに、教授が協力しているとかいうオーブの国営企業「モルゲンレーテ」の仕事を手伝わされている。
フレーム設置モジュールの改良など、プログラムの解析がメインだが、教授はキラが「特殊な人間」であることを知って頼んでくるのだ。
キラにとってはそれはあまり嬉しいことではない。
そうしている間にも、トールはキラが好きな男の子…カレッジ1の美少年、フレイ・アルスターについてサイに詰め寄っている。
サイがフレイと婚約したという噂が流れていることを問い質そうというのだ。
サイは美人ではないが、学校1の秀才で、穏やかで優しく、生徒会長を務めるほどの才媛だ。
少し浮いた噂のあるアルスターもサイには夢中になっているという噂も聞く。
どうせ自分にチャンスなんかまわってきやしない…キラは自嘲気味に笑った。
自分に自信がなくなったのはいつ頃からだったろう。
遠い昔、自分にももっともっと屈託なく笑えていた時があったような気がするのに…キラはぼんやりと他人事のようにそんな事を思っていた。
記憶の向こうには温かく、優しいぬくもりがあったような気がした。
その間もキラは、深々と帽子をかぶって息を潜めるようにしている少年が気になっていた。
年の頃は同じくらい…背格好も、少し少年の方が背が高いけれど、不思議と知っているような、けれどやはり全く知らないような、不思議な感覚があった。
(編入でもしてくるのかな…)
そんなキラの他愛もない好奇心は、突然の衝撃でかき消されてしまった。
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